認知症だと家族信託は活用できない!?
家族信託は本人(親)が元気でしっかりしている間に、
財産管理や処分を任せる人に契約で設定するものです。
認知症になり意思表示が困難な状態になれば、
原則として家族信託の契約はできません。
「物忘れがひどくなった」「要介護2と判断された」
「認知症と診断された」などしたら、家族信託を
行うことは一切できないのしょうか?
認知症は客観的に判断できない
認知症かどうかは客観的・一義的に判断できません。
公的機関が認知症を判断するわけではありませんし、
病院で認知症と判断されても、本人の調子の良し悪しによる
状態の変化もありますので、絶対正しいとも言えません。
要介護認定と判断能力の有無も関係ありません。
常に意思表示ができない場合(寝たきりで言葉を発することができない)
でない限り、一概に家族信託はできないとは言い切れません。
家族信託で確認する事項はこれだけ!
家族信託の契約に向けて打合せする場合において、
法律の専門家でもない一般人の委託者及び受託者が
信託契約の内容を完全に理解することは正直難しいです。
特に高齢の親(委託者)に契約内容の細かな項目を
説明しても理解できないのが普通です。
では家族信託の契約できないかといえば、そうではなく
幣事務所では以下の点の意思確認を行い、問題なければ
手続きを進めていきます。
②誰に管理、処分などを任せ
③どのように管理、処分するのか
④亡くなった後に財産を取得する人
公証役場で契約する際も公証人は、上記の家族信託の重要部分が理解でき、
意思表示ができれば家族信託の契約を進めていきます。
具体的な判断基準
親が銀行で定期預金などの解約など、大きな金額を引き出せるかが
一つの目安になるでしょう(※あくまで私見です)。
もし、銀行の手続きで引っ掛かるようであれば、家族信託の契約は
難しいと思います。
財産管理を受託者(子ども)に任せるのが家族信託です。
親自身が銀行からお金を引きだせなければ、受託者に管理を任せる
現金の移動ができなければ、家族信託自体が無意味なものになるからです。