家族信託をした時の不動産の登記記録
不動産の登記記録を変える必要
信託する財産に不動産がある場合には、
不動産の登記記録を変更することになります。
例えば、委託者(親)が受託者(子ども)に管理を任せる場合、
親から子どもに不動産の所有者を変更します。
あくまで、「形式的に」所有者が変わるものですので、
贈与とは異なり、不動産の実質的な所有者は
委託者(親)のままです。
登記記録では「所有者」ではなく「受託者」と記載されます。
受託者が記録されることの効果
- 受託者による財産管理ができる
貸アパートや駐車場などの収益不動産の場合、
委託者(親)が認知症などで意思表示ができなく
なっても、受託者(子ども)が賃貸借契約や
その解除を行うことができます。
- 受託者による不動産処分ができる
相続税対策などで信託されている不動産を売却する必要がある場合、
委託者(親)が認知症になっていても、信託目的に照らして
相当な場合、受託者(子ども)が売買契約を行うことができます。
- 取引の安全が確保できる
不動産の売買取引では、売買契約書に記載されている売主が
本当に不動産の所有者本人なのか、売る意思があるのかを
確認することになります(本人確認・意思確認)。
不動産の登記記録に受託者が記録されることで、
本人確認及び意思確認は受託者に行うことになり、
不動産取引の手続きがスムーズにできます。
受託者の権限も明記されますので、
受託者が「売却」の権限がないにも関わらず、
「売却」しようとしても、登記記録を確認する
ことで、売却する権限がないことが明確なので、
取引の安全が確保されます。